2010年7月31日土曜日

SUSギャラリーサロンナイト

ゲスト:川島蓉子・山田遊 西武池袋の『be my gift』まとめた面々。
ファシリテーター :柳本浩市
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AKUMAGAYA  のtwttリポート

西武池袋 BE MY GIFT について。 川島 : MD山田さんと、コピーライターくにいさんと、コンセプト「デパートに置かれている品物は、すべてがギフトになる。」を立案。

山田 : 百貨店はテナントの力に頼り過ぎている。自主編集の売り場を作る。 各売り場の何を打ち出したいか、不透明なので、デパートの全てがギフトであるとすれば、食品からプロダクトなど池袋西武のダイジェスト売り場になる。 

山田 : セレクトにルールを作る。例えば海のテーマならモノ3つで表現する。 三文節、俳句など、日本人には3つのリズムが合っている。 今回初、商品説明にプロのコピーライターに書いてもらう。くにいさんは70文字の制限書いた。お客様が全部のPOPをリズム良く読む。

川島 : 販促が必要になり、世界のキッチンシリーズのような物が出来ればと思い、ふくしまさんに頼む。 80年代の西武の力を感じるものが出来る。年八回のサイクルで動いている。

柳本 : 継続的に売れるには? 川島 : どうしても販売になると伝える力が弱くなる。作った本人が売りのが一番良い。 山田 : 伊勢丹はバイヤーは必ず売り場に立つ。 一つにはルールを作る。 福岡 PARCO once A month 毎月20日変わる店づくり。

山田 : 催事をやる期間の都合は、お客さんの都合を考えられてない。 毎月給料日前の20日ガラリと変わるので、固定客が生まれて20日の売り上げがよくなる。 密売東京、毎週一回商品をUPする。お客さんに伝えるリズムが継続する。

柳本 : 川島さんは何をやっているのか? 川島 : マーケティングを一時期やっていた。どうしたらお客さんにリアルに迫れるか。押し掛け調査。家に訪問して談笑して、家中の写真を撮り調査をする。 その後は松下のデザイン戦略とか。 キャスティングをして舞台を作る仕事。

川島 : 今でもホームビジット調査は担当部署があり行われている。また人の家でファッションのコーディネートをして頂く。そのコーディネートは車や食事とも関連がある。


柳本 : 関心が無い人は、なぜ関心が無いのか? おばちゃんは買い物のプロ。確実に自分にメリットがある物を買う。 川島 : 後追い調査というのもあった。母親と娘に一万円渡して二時間買い物。20m離れて尾行。後で、ヒアリングをする。 パイは少ないが、訂正が少ない情報。

 柳本 : おばちゃんから女子高生は、可愛い物が好き。それは長く売れる物である。 自分はメーカーでありながら、小売りの中で感覚的に分析する。その経験を活かしプロデュース・コンサルを手掛けている。

山田 : うちのスタッフはパトロールしに行く。リサーチと買い物。 特に女性は好んで定期的に周る。 川島 : 物書きの取材で、関係ない物でも買ってしまう。売り場に立つのは、物を作ったりする原点。 柳本、山田 : デザイナーは一般のお客さんに売った方がいい。

山田 : 楽しくて売れない物はあるけど、まずは楽しいことを第一にして欲しい所もある。 今年のテーマ、良い悪い、売れる売れないの横軸、縦軸。 日本は分からないけど売れる物はある。これを問題視して、良くて売れるパイを広げている。 悪くて売れる物ヤンキーっぽいと位置付け。

山田 : 楽しくて売れない物はあるけど、まずは楽しいことを第一にして欲しい所もある。 今年のテーマ、良い悪い、売れる売れないの横軸、縦軸。 日本は分からないけど売れる物はある。これを問題視して、良くて売れるパイを広げている。 悪くて売れる物ヤンキーっぽいと位置付け。

山田 : 昔はヤンキーが開拓者だったのかもしれない。 今は、それが問題かも。 柳本 : マーケッターの意見としては、なぜあれが売れるのかを分析すれば、応用できるかもしれない。 山田 : 消費のパイは椅子取りゲームなので、ヤンキーから奪わないといけない。

山田 : 例えばファッションの消費が下がれば、インテリアにパイが広がる可能性がある。 川島 : それは困る!ただファッション業界は下降を感じる。今、頑張って売ろうという気概のあるブランドが少ない。 買いたい物が少ない。

山田 : ファッションの問題。今のインテリアショップは新陳代謝をとげたが、ファッションはまだ新陳代謝をしていない。 コンセプトのあるショップが少ない。 お客さんに対して、つたえるコンセプトを持ってない。 柳本 : 昔は上から目線だけど、伝えることをしていた。

川島、山田、柳本 : おる意味、ユニクロは明解。 山田 : 明確に打ち出してる店は、上手く行っている。 柳本 : 企業のブランディングは個人を対象にした方が、何をすれば良いのか明解になる。 川島 : 企業は対象がブレてる。関係ない人間が外から入り変えていかないと。

川島 : デジタルに弱い。私にとってテレビは黒い板。頑張って欲しいのはリモコン。 消費者に良いことと異なることが多い。私が使う気分やシーンが抜けている。 そここそが、これから重要な所。 柳本 : メディアもそう。スペックの話でなく、ライターの生の意見が聞きたい。

山田 : 電通の倉成さんの広告の手法で他の領域で何ができるのか。角川文庫、推理小説売る時に、探偵に読ませて書評させてPOPを書く。 売り方に直結する手法は盲点だった。

川島 : 主観と客観の行き来が重要。昔、カフェで隣の隣の席で本の悪口を言われていた。 ムカムカしていたけど、名刺を持って 「私が川島です。…なかなか読書の意見は聞けないのでありがとうございます」 その後メールが届き、本人と本との印象に開きがあったことを学ぶ。

山田 : 売れる店を作らないと、やっぱりお洒落な店は売れないじゃんと言われてしまう。 メーカーの方が売り込みに来ていただくことが多いけど、全部を作る前に来て欲しい。 作る側のコンセプトが売れるかのリサーチが圧倒的に足りてない。

柳本 : 札幌の学校?ベンチのデザインがあり、そもそも椅子が必要なのか、どこに座るのかなどのリサーチがなく、物のデザインのみになってしまう。

 柳本 : 大きい企業には自分の意見は通らない。政治的に介入するしかない。今まで悪と決めていた動かない人を動かさないと、物凄く良いプロジェクトも機能しなくなる。 今はそれを取り組んでいる。

山田 : 僕らの世代は、横の繋がりが強く、ジャンルごとで優秀な人間が多い。何となく、変えなくてはいけないと強く感じてる。 川島 : 私達の役割。山田さん達の若い世代を上の世代に通訳する。 柳本 : プロデュースをする人間にも必要。

山田 : 僕の親世代は黒崎さん(笑)とか、変革者が多い。 何か変えなきゃマズいといのは親の世代の影響がある。 柳本 : IDEE は特殊な会社。 山田 : 最後のチルドレンとしてやらなければ。(笑)

山田 : 柳本さんの話と同じで根っこから変えなくてはいけない。 ただ僕は身の周りから変えなていきたい。

山田 : (手掛ける仕事のモンスター級の成功打率のコツを聞かれて?) 細かく用意周到である。 MDだけでなくコンセプト立て、フィニッシュ、POPやレジなど細かい所まで携わる。 本当にお客さんに必要な理由を考える。

川島 : プロダクトやインテリアも建築も全部ファッションだと思っていた。 会社に入ると、とても閉じた世界だった。 もっと横に繋がりたい。 身の周りから、ある業界に接したことのない人をキャスティングして化学変化を楽しむ。

柳本 : 月一回の飲み会、リアル中西は色んなジャンルの人が来て繋がる。 ネットにより一見無駄に見える繋がりが生まれてきた。2010年代からはカテゴリーを再編集する時代になってきた。 肩書きでなくとも色々仕事ができる。 山田 : うち最近デザインの仕事が良く来る(笑)

山田 : 地場産業の悪しき例について。売り方を知らないデザイナーがデザインするのも問題。 クリエイティブと売り方を両方知っている人間が必要。それが今少ない。 でも大事なのは、作り手が何処で売りたいなど明確にする必要がある。

川島 : 地場産業で流通をする人間が少ない。 柳本 : 売ったことないデザイナーがプロデューサーをすることも問題。 川島 : 日本は良い物作れば売れるという不思議な感覚がある。 伝え方を大事にしないと。

柳本 : 今は日本の価値観をそのまま海外に持って行ってるけど、海外は神秘的な所に興味を持っている。相手側に理解できる形式で持っていかないと伝わらない。

山田 : 柳本さんの海外での捉え方の話で、シンガポールPARCOを手掛けるとアジャストが必要。 どの国にも日本のアイテムが多いのに、日本人はアウトプットが下手。こちらこら伝える行為をしていない。 今はデザイナーは日本でやっているより海外の方が食えると思う。

川島 : (ローカリズムに聞かれ) 規模は小さくても、丁寧な仕事はある。それが沢山点在していけば変わる。 パリでは日本製の評価は高いけど、伝えきれていない。 一気に海外に出てみる手はある。