2010年8月31日火曜日

SUSもうすぐリニューアル

金獅子賞

石上純也がベネチア・ビエンナーレ国際建築展企画展示部門「アーキテクチャー・アズ・エアー」で金獅子賞受賞。
展示後3時間で壊れちゃったらしいが「独創的で妥協することのない想像力があり、物質性や視界、建築の限界を打ち破った作品」として評価された。最近勉強したからわかります。
これだけ実作が少なくて評価がうなぎ上りになのはザハ以来ではないか。哲学的・数学的・理科的なこの人が建築を変える場面に立ち会えそう。

designboom 最後の1枚だけ倒壊前の写真 
I'm sorry. It's broken.

http://togetter.com/li/45920
金獅子賞を機に議論白熱。ただし石上氏は批判されるべきではない。彼は四角いふうせん、大きなテーブルに続いて挑戦的な構造物を提示した。つきつめてみた。でも壊れてしまった。それ(壊れたことも含めて?)を審査員が選択した。審査、ビエンナーレの位置付け、建築とアートは議論されるべきだが、石上氏を批判するべきではない。

2010年8月29日日曜日

【本】悪人

吉田修一 著

せつない・・・
現代版『藪の中』のようだ。
束芋の挿絵もあいまってすごく肉感的。人間の匂いがする。
人は誰でもいろいろな面を持つ。自分も。と考えさせられます。

2010年8月28日土曜日

もう一度 藤本壮介展

ジュンヤのキャプションをちゃんと読みに行ったので、ソースケのキャプションもちゃんと読みに行く。
どちらの模型群からも多岐な発想がみてとれる。でもプロセスは違うなぁ。
ジュンヤはより理科好き、ソースケはより図画工作好きって感じかしら。
ジュンヤは考えたことをやってみる。ソースケはやってみたことを考える。
いずれも頭がいいのは違いない。

かみの工作所のひとたちのかみにかけるおもい展

職人魂、誇り、真摯さ、、好き。
福永紙工の皆様「おもい」いただきました。

マン・レイ展

パリでのマルセル・デュシャンの導きが大きい。ダダ仲間は楽しかったでしょう。ジュリエットが大切だったのね。人、大事。
写真以外に絵画、立体、映画と全部やってるのですね。表現手法のちがいなのでしょう。立体のクオリティが非常に高いと思った。
ポートレイトシリーズは普通っぽく感じる。エイジングによる価値のように感じた。よく知った名前の人たちの商業写真だからか。こどもの頃、じいちゃんが戦前 上海あたりで撮っていた人物写真に「芸術」を感じてたんだよなぁ。これと同じ感覚をもった。じいちゃんが何かもっていたのか?
しかし土曜の美術館は混んどるなぁ。

もう一度 石上純也展

前回時間なくてキャプション読めなかったのでふたたび。
・色と環境・都市
・山を設計する
・自然スケールの都市
・とても大きな家
・気候をもつ家
・・・・・
・ずーっと続く水平な橋=地球を一周するリング状の橋。
橋桁なしで軸力だけでもつはず。
・四角いふうせん=風船とはいえデカイ1tの構造物を浮遊させた。
・テーブル=たわむなら、たわむ分だけ、たわませておけばよい。

AGNOSIAN FIELDS

Didier Fiuza Faustino
ディディエ・フィウザ・フォスティノ
作家はGANTZの奥浩哉をリスペクト。今回の展示会用に自身が作品とともに登場しているGANTZ風の画を頼んだとのこと。奥WORLD炸裂。GJ!
ピンクのガムを噛んでは顔にはりつけていく動画作品
"(G)host in the (S)hell" いいと思います。笑う。

2010年8月27日金曜日

黒川雅之氏 芸術博士号取得お祝いの会

73歳でございます。教授を退官してから論文書いて博士号。
で、みんなでお祝い。
完全アウェイ単独参戦のなか、オクダイラさん、テッちゃん、ジュン、アカネさん、スワちゃんにお会いできてなんとかパス交換。ノザくんありがとう。
よく存じ上げているようなのに、どなたか思い出せなかった凛とした和服の女性。ワカオさんだったのかも。
USTREAM 講演 ←黒川さんお話上手。

2010年8月26日木曜日

MICHAEL KORS 原宿

クロムメッキピカピカスポットかっこいい。
明日オープン。

明和電機 OPEN LAB.

チャリ楽器ワークショップ。楽器は直前にできあがったみたい。
デザイナーズウィークで進化版発表。乞うご期待。
通りすがり@バイクフォーラム青山
明和電機 社長ブログ

アッシュコンセプト


アッシュコンセプトのブランド+dのほぼ全製品が展示。
ワタリウムB1F 「ON SUNDAYS」にてレセプション
葉山発、チーズ深い、生ハム絶品、クレッソン香り高い。
マブチさん、お誘いありがとう。ポール君、手いいな。イガラシ君秋期待。

第5回 金の卵 学生選抜オールスターデザインショーケース

Physical Dimmer 握る。振る。
身体的感覚をもってあかりとつきあうインターフェイスへの取組み。
やってるじゃないか。若者が。
デバイスのデザインが手にしっくりこない。調光が直感的動作にリンクしていない。など文句申し上げたが、実際につくって挑戦していることを応援。当方考えてるだけなので。
岐阜県立国際情報科学芸術アカデミー チーム「はとごや」
@AXIS GALLERY

お久しぶり!田原町甲州屋

むじなつき大盛り
おばちゃんの肌艶ピカピカだったなぁ。

2010年8月25日水曜日

石上純也展 建築はどこまで小さく、あるいは、どこまで大きくひろがっていくのだろうか?

建築はどこまで小さく、あるいは、どこまで大きくひろがっていくのだろうか?
来年出版する本のための模型群を展示。様々なアイディアの立体スケッチ集。
見るものにスっと伝わってくる素直な表現。
模型をつくりながら創造していくプロセスは幼児が粘土をこねくり回して何かを
作りだすのに似ていると思う。
だから展示は夏休みの作品発表会のように見える。微笑ましい。
ワタリウム藤本壮介展の3階と同じ感覚。
@資生堂ギャラリー  フクヘン

2010年8月24日火曜日

【本】フェルマーの最終定理

サイモン・シン 著
青木薫 訳

自然数n が3以上のとき、xn + yn = zn を満たすxyz はない。
「私はこの命題の真に驚くべき証明をもっているが、余白が狭すぎるのでここに記すことはできない」 ピエール・ド・フェルマーが『算術』の余白に書き残したメモ。1637年ごろ。


1995年にアンドリュー・ワイルズにより証明された。
ピタゴラスの定理を変形させたわかりやすい式。
これに解がないことを証明するために多くの数学者の知性と意欲と失意を必要とし、360年の時を要した。
ワイルズが取り組んだのは谷山・志村予想を証明すること。谷山・志村予想は1955年に日光の学会で発表された「楕円曲線はすべてモジュラー形式である」という予想。(なんでかはわからんが)これを証明することでフェルマーの最終定理を証明することとなった。

本書で興味深いのは日本人学者の活躍。谷山・志村予想の谷山豊、志村五郎の他に岩澤健吉や肥田晴三ら日本人数学者が貢献している。丁寧に記述されており誇らしい気持ちになりますね。
谷山豊は31歳にして自ら命を絶っている。盟友 志村五郎が述懐して述べている。
「彼は数学者として非常に注意深いという人では無かった。彼は沢山の間違いを犯した。だが良い方向に間違えるので、最終的には正しい答に辿り着くことが出来た。私は彼を真似ようとしてみて、良い間違いを犯すというのは実は非常に難しいのだということを知った。」

しかし、ワイルズに至るまで多くの知性と革命を必要とした複雑膨大な証明を、17世紀のフェルマーはいかなる方法で証明したのだろう。とてもわかりやすくエレガントなものなのだろうね。


【memo】
科学という営みは、ちょうど裁判のようなシステムで運営されている。科学理論は「合理的な疑問のすべてに答えられる」だけの証拠がありさえすれば正しいとみなされる。よって新たな証拠の発見により正とされていた理論が覆ることがある。それに対し、一度証明された数学の定理は永遠に真である。数学における証明は絶対なのだ。

「πが無理数だと知ったところで何の役にも立たないだろうが、知ることができるのに知らないでいるなんて耐えられないではないか」 数学者E・C・ティッチマーシュ

「川の長さは、水源から河口までの直線距離にπ(3.14)を乗じた長さが平均的。シベリアやブラジルのようになだらかな平原を流れる川は特にπに近づく」 地球科学者ハンス・ヘンリック・ステルム

2010年8月23日月曜日

日経新聞本社

ニコラさんの仕業。
あかりはトツネさんの仕業。らしい。
リボンへの光のかけ方がすばらしい。

日本規格協会

規格の総本山

2010年8月17日火曜日

藤本壮介展

「山のような建築 雲のような建築 森のような建築」
@ワタリウム

2010年8月15日日曜日

【本】煙滅

ジョルジュ・ペレック 著
塩塚秀一郎 訳

『暗号解読』で紹介されて興味をもった本。
この本の読者のほとんどは著者・訳者のたくらみを解って読んでるのだろう。

原書『消失』にはフランス語で最頻出である"e"の文字が一つも含まれていない。ギルバート・アデアはやはり"e"を使わずにこれを英訳した。塩塚秀一郎は本訳書『煙滅』で、いの段「い・き・し・ち・に・ひ・み・ゐ・り」を一切使っていない。

結局、文字ばかり気になってしまった・・・・

2010年8月13日金曜日

【本】思考の整理学

外山滋比古 著

「人間は憶えることには価値がないので、考えることをしましょう。」
Windows95が爆発的に広まった12年前、1983年の著作。
情報化社会を見越して、人間は創造的でなければならないよと説いている。産業革命がものづくりから人間を追い出したように、コンピューターが記憶と再生という事務仕事から人間を追い出しちゃうよ。と言っている。27年たった今、わたしたちは創造的でありますでしょうか。

2010年8月12日木曜日

【本】 『惡人』買っちった。

束芋 ててて GALLERY KOYANAGI にて 
吉田修一『悪人』新聞連載時の挿絵を再構築
文庫サイズのアート本。濃い。
発色の悪そうなザラっとした紙の質感がいい。
なぜか大友克洋のハイウェイスターを思い出した。

【本】暗号解読

サイモン・シン著
暗号をつくる人、暗号を解読する人
暗号にかかわる人々の系譜。

・ヴィジュネル暗号
└ ブレーズ・ド・ヴィジュネル
・ヴィジュネル暗号解読
├ チャールズ・バベッジ
└ フリードリヒ・カシスキー
・ビール暗号:カウボーイの埋蔵金
・ツィンマーマン電報:情報戦のはじまり
・エニグマ
└ アルトゥール・シェルビウス
・エニグマ解読
├ ハンス=テイロ・シュミットのスパイ情報
├ ビュロ・シフルフ
├ マリヤン・レイェフスキ
└ イギリス ブッチレー・パーク アラン・チューリング
・ナヴァホ・コードトーカー
・ロゼッタストーン:ヒエログリフの解読
├ トマス・ヤング
└ フランソワ・シャンポリオン
・線文字B
└ マイケル・ヴェントリス
・アリスとボブとイブ
・公開鍵と個人鍵
├ ホイットフィーリド・ディフィー
├ マーティン・ヘルマン
└ ラルフ・マークル
・RSA
├ ロナルド・リベスト
├ アディ・シャミア
└ レナード・アドルマン
・GCHQ
├ ジェイムズ・エリス
├ クリフォード・コックス
└ マルコム・ウィリアムソン
・PGP
└ フィル・ジマーマン
・量子コンピューター
├ トマス・ヤング
└ デイヴィッド・ドイチュ
・量子暗号
├ スティーヴン・ウィースナー
├ チャールズ・ベネット
└ ジル・ブラサール

2010年8月7日土曜日

清洲橋

清澄庭園

Architects from HYPER VILLAGE

"超都市"からの建築家たち @hiromiyoshii
藤本壮介さんのStacked Cloud 美しい。
Lexusの職人さんが削ったのかしら。
乾久美子さんのハウスOが面白い。
日影の立体化ですね。執拗なスタディが素敵。

2010年8月5日木曜日

BASARA

@SPIRAL

主催・企画・キュレーション : 天明屋尚
出展作家 : 池田学/伊島薫/井上雄彦/井上裕起/上田順平/
歌川国芳/河鍋暁斎/金理有/三代目彫よし/SHIGE/田附勝/
月岡芳年/辻野裕明/天明屋尚/豊原国周/中島靖貴/成田久/
野口哲哉/HITOTZUKI(KAMI+SASU)/松山淳/
丸若屋+上出長右衛門窯/村山留里子/山口晃/横尾忠則

2010年8月3日火曜日

【本】もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら

岩崎夏海 著

著者は本著が大きなセールスをあげたことでホッとしたそうだ。
狙ったことが実現したから。
大きなセールスをターゲットにしていたので13歳以上の全人類を読者に想定したという。
本の個性を盛り込むために長いタイトルになった。最小限。「高校野球」「女子マネージャー」「マネジメント」「ドラッカー」を盛り込んだ。

組織とはどう運営すればそこで働く人々が生き生きと働けるか。
「マネジメント」は会社以外にも使える考え方。
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「顧客によって事業は定義される。顧客を満足させることこそ、企業の使命であり目的である」
「顧客は誰か」
「企業の目的は、顧客の創造である。したがって企業は二つの基本的な機能を持つ。マーケティングとイノベーションである」
「マネジメントは、生産的な仕事を通じて、働く人たちに成果をあげさせなければならない」
「働きがいを与えるには仕事そのものに責任を持たせなければならない。そのためには①生産的な仕事、②フィードバック情報、③継続学習が不可欠である」
「専門家が効果的であるためには、マネージャーの助けを必要とする。マネージャーは専門家のボスではなく、道具、ガイド、マーケティング・エージェントである」
「人は最大の資産である」
「自己管理目標の最大の利点は、自らの仕事ぶりをマネジメントできるようになることである。自己管理は強い動機づけをもたらす」
「働きがいを与えるには、仕事そのものに責任を持たせなければならない」
「自らや作業者集団の職務の設計に責任を持たせることが成功するのは、彼らが唯一の専門家である分野において、彼らの知識と経験が活かされるからである」
「企業の第二の機能はイノベーション、すなわち新しい満足を生み出すことである。よりよく、より経済的な財とサービスを供給しなければならない。企業そのものは、より大きくなる必要はないが、常によりよくならなけらばならない」
「イノベーションの戦略の一歩は、古いもの、死につつあるもの、陳腐化したものを計画的かつ体系的に捨てることである。イノベーションを行う組織は、昨日を守るために時間と資源を使わない。昨日を捨ててこそ、資源、特に人材という貴重な資源を新しいもののために解放できる」
「成果とは何かを理解しなければならない。成果とは百発百中のことではない。百発百中は曲芸である。成果とは長期のものである。すなわち、間違いや失敗をしない者を信用してはならないということである。それは、見せかけか、無難なこと、下らないことにしか手をつけない者である。成果とは打率である。弱みがないことを評価してはならない。そのようなことでは、意欲を失わせ、士気を損なう。人は優れているほど多くの間違いをおかす。優れているほど新しいことを試みる」
「真摯さを絶対視して、初めてまともな組織といえる。真摯さは、とってつけるわけにはいかない。すでに身につけていなければならない。ごまかしがきかない。特に部下に対しては、真摯であるかどうかは二三週間でわかる。無知や無能、態度の悪さや頼りなさには、寛大たりうる。だが、真摯さの欠如は決して許さない。彼らはそのような者をマネージャーに選ぶことを許さない」
「組織構造は、組織のなかの人間や組織単位の関心を、努力でなく成果に向けさせなければんらない。成果こそ、すべての活動の目的である。成果より努力が重要であり、職人的な技能それ自体が目的であるがごとき錯覚を生んではならない。仕事のためではなく、成果のために働き、贅肉ではなく力をつけ、過去ではなく未来のために働く能力と意欲を生み出さなければならない」
「成果中心の精神を高く維持するには、配置、昇給、昇進、降級、解雇などの人事に関わる意思決定こそ、最大の管理手段であることを認識する必要がある。それらの決定は、人間行動に対して数字や報告よりもはるかに影響を与える。組織の中の人間に対して、マネジメントが本当に欲し、重視し、報いようとしているものが何であるかを知らせる」
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エピローグで「甲子園ではどんな野球をしたいですか?」とインタビューされたキャプテンは「あなたは、どんな野球をしてもらいたいですか?」「ぼくたちは、それを聞きたいのです。ぼくたちはそれをマーケティングしたいのです。顧客が価値ありとし、必要とし、求めているものから、野球をスタートしたいのです」と聞き返す。
実際に顧客が自分がなにを欲しているのか具体的に説明できることはまずない。だから「これはどう?」「これは?」と提案して「そうそう、これが欲しかったの」を引き出すのでしょうね。