2026年6月13日土曜日

人類と建築の歴史

人類と建築の歴史

藤森照信 2005年

Geminiに相談---

全6章で構成されており、人類の誕生から現代の20世紀モダニズムまでを駆け抜けます。

  • 第1章:最初の住い

    • マンモスを追いかけていた洞窟の時代から、米や麦を育てて定住を始めた新石器時代への移行を扱います。家ができることで人間の情感や「家族」の意識、自己同一性がどう芽生えたかを考察します。

  • 第2章:神の家――建築の誕生

    • 「建築」という特別な行為が始まったきっかけを、自然への祈り(地母信仰と太陽信仰)から紐解きます。

  • 第3章:日本列島の住いの源流

    • 縄文時代の竪穴式住居から、鉄器や稲作とともに登場した弥生時代の高床式住居へと至る、日本独自の住まいのルーツを解説します。

  • 第4章:神々のおわすところ

    • 伊勢神宮や出雲大社、諏訪大社など、日本の遺跡や神社の建築にみられる「神聖な空間」の原点を探ります。

  • 第5章:青銅器時代から産業革命まで

    • 道具の進化や大航海時代を経て、世界各地の建築文化が多様化し、やがてヨーロッパの建築様式が世界を席巻していく過程を追います。

  • 第6章:二十世紀モダニズム

    • コンクリートやガラスが普及し、装飾のない「白い箱と大きなガラス窓」に代表される、現代の均質化された都市建築へと至る結末を描きます。


💡 読みどころ・おもしろい視点

本書を特にユニークにしているのは、以下の2つの視点です。

1. 建築の起源は「お母さん」と「お父さん」?

藤森氏は、建築には「母のような内部」「父のような外観」があると語ります。

最初は、大地に穴を掘ってこもるような「地母信仰(母なる大地)」に基づいた安心できる内側(住居)から始まりました。やがて、天にそびえ立つ巨石やモニュメントのような「太陽信仰(父なる太陽)」が現れ、これが建物の「外観(ファサード)」の美しさへとつながったと指摘しています。

2. 歴史の大部分が「原始・古代」に割かれている

全168ページのうち、なんと4分の3以上(約132ページ)が先史時代や古代の建築にあてられています。ルネサンスや産業革命といった近代以降の歴史よりも、「人間がなぜ最初に柱を立てたのか」という原初の謎に徹底的にスポットライトが当てられており、生き物としての人間と建築の関わりが深く腑に落ちる内容になっています。