2009年1月3日土曜日

【本】考える力をつける数学の本

岡部恒治著
序-数学は考える力をつける
・激動の時代には本質を見抜く力すなわち数学的思考力が必要で、それを養うのが数学的思考力。
1-天才少年ガウスの工夫
2-紙とエンピツの世界へ
・社会や自然界で、あるいは抽象的に頭脳の中で解明したいあるいは分析したい問題があったとき、次の過程で問題が明確化し解決されていく。
①問題を見出し、
・・・問題点を的確に見出すこと
②その問題の本質的に必要な部分を抽象化し(扱いが可能な)条件として書き上げ、
・・・適切に抽象化できること
③その条件を解析して使いやすい形(定理や公式の形)にし、
・・・数学的な処理が簡潔で美しいこと
④それを実際の問題に応用・適用する。
・・・数学の応用力があること
この過程を広義で数学と捉える。
3-「抽象化」するとラクになる
・一般化を考えることによって、問題の本質が浮かび上がってくることがよくある。逆に問題の本質さえ掴んでしまえば一般化は容易。常に一般化について考えていくことは数学の追求の上で重要なこと。
4-数学感覚に優れているとは?
・独創的であること
・一般性があること
・数学は単純性を好む
・調和の取れた美しさ
・構造的に美しい
5-数学は思考の産物だが…
・ユークリッドの5つの公準
①任意の2つの点を通る直線を引ける。
②任意の線分の両端をいくらでも延長できる。
③任意の中心点と半径を持つような円を描ける。
④直角はすべて等しい。
⑤任意の一直線lに対し、その上にない任意の点を通る直線で交わらないものが必ず1本だけ引ける。
・第5公準の複雑さに対する、単純化・否定・必要性の証明・別の世界観の構築から非ユークリッド幾何学が生まれた。
6-問題摘出型と問題解決型、あなたはどちら?
7-数学感覚はどうしたら伸びるか
8-数学的な頭の使い方とは
・トイレットペーパーの長さを断面積から算出。・・・積分
数学的進歩とは「ちょっと頭を使ってラクにしよう」ということ。
9-まず簡単な場合から考えよう
「簡単な場合でやってみて、その結果から他の場合も推測する。」というアナロジーの方法。
10-とにかく手を動かしてみる
11-頭のなかなら自由に動かせる
12-簡単なものに作り替える
13-余計なものを見つける
・「今何を求めたいのか。そのためには何が許されるのか?」
これを進めていく一つの過程が抽象化。
14-「特異点」は重要な手がかり
15-おおざっぱでよいときもある
・ポイントとなる点でどうなているかを見て、おおよその形を掴む方法は重要。
実社会で広く応用されている。
16-「キーパーソン」を探せ
17-線を引いたり、色を塗ったり
・状況を見やすくする。
18-対称性に注目する
19-「繰り返し」の法則性
20-エンピツを回してみよう
21-平均値から考える
22-伸ばしたり、縮めたり
・トポロジーは「ゴム図形の幾何学」
23-次元を上げてみよう
24-数学はイメージだ
・「何が要求されているか」「何を要求すべきか」を考えることはポイントを掴む上で重要。
・図解して考えてみること。