2010年5月23日日曜日

【本】ロウソクの科学

マイケル・ファラデー著

1860年におこなわれたクリスマスレクチャー6回の講座記録。
スワンが白熱電球を発明する1879年に遡ること19年前。火の光が生活であたりまえの時代。日本は幕末安政7年、桜田門外の変が起きた年。おぉ・・・

ロウソクを使った実験しながらのレクチャーはいきいきとして楽しそう。講師たる者の範ですね。しめくくりのことばが素敵です。
「諸君の生命が長くロウソクのように続いて同胞のために明るい光輝となり、諸君のあらゆる行動はロウソクの炎のような美しさを示し、諸君は人類の福祉のための義務の遂行に全生命をささげられんことを希望する次第であります」

クリスマスレクチャーは1825年、当時の所長ファラデーによる企画で英国王立研究所が一般向け講座をはじめて現在につづいているという。驚き。
今は英国科学実験講座として翌夏、日本でのレクチャーが開催されている。
http://sc-smn.jst.go.jp/4/series.asp?i_series_name=%89p%8D%91%89%C8%8Aw%8E%C0%8C%B1%8Du%8D%C0
これを見ると本書に記されているファラデーの思い「一般の人、若い人にもっと科学に興味をもってもらいたい。社会に貢献してもらいたい」が脈々と生きていることがわかりますね。いや、すばらしい。