2011年10月22日土曜日

【本】アースダイバー

中沢新一 著 

東京は縄文文化を色濃く発見することができる。 縄文と弥生の遺跡、古墳や墓地、神社、寺などはたいてい洪積層と沖積層のはざま、半島や岬の突端のような場所に位置している。水際との関わりが深い。

 「縄文時代の人たちは、岬のような地形に、強い霊性を感じていた。そのためにそこには墓地をつくったり、石棒などを立てて神様を祀る聖地を設けた」
 「そういう記憶が失われた後の時代になっても、まったく同じ場所に、神社や寺がつくられたから、埋め立てが進んで、海が深く入り込んでいた入り江がそこにあったことが見えなくなってしまっても、……現代の東京は地形の変化の中に霊的な力の働きを敏感に察知していた縄文人の思考から、いまだに直接的な影響を受け続けているのである」 

洪積層 「乾いた土地」・精神的なもの(神)につながる・「乾いた文化・社会」=弥生的 

沖積層 「湿った土地」・物質や肉体につながる・水の世界=死の匂い、「湿った文化・社会」=縄文的