2009年3月28日土曜日

エバンジェリスト

(1)キリスト教における福音伝道者
(2)ある製品の熱狂的信奉者で,他人にその良さを伝えようとする人。
(3)情報通信産業などにおいて,自社製品の啓発活動を行う職種

「新しいパラダイムを広める」ということに特化した人物をエバンジェリストと考えればよい。

 職種としてのエバンジェリストはまだ数が少ないが、存在としてのエバンジェリストを考えると、身近にかならずといっていいほど存在する。
 たとえば「○○のことならあいつに聞け」といわれるような人は、本人の意識の如何にかかわらず、エバンジェリストの卵といっていいだろう。あなたは周囲のだれかに影響を受け、ある趣味の世界に入り込んだことはないだろうか。そしていつのまにか仲間が増えていたことは?
 周囲をあることに注目させ、興味を持たせ、知識を伝達するのみならず集団的にある変革に向かわせることができる人はすべてエバンジェリストである。こういう人は社会的価値が高い。

 ある企業が構造改革のためにまったく新しい仕組みを導入することを考えたとしよう。おそらく、当初は多くの反発にあうはずだ。今のやり方がガラガラと音をたてて崩れていくのだから当然である。これらの反発をおさえ、前向きに対処するようにもっていくのは並大抵のことではない。
 しかし、そのときの反発のなかには、不必要な反発も含まれている。多くは先の見えない不安から来ているからだ。そんなとき、エバンジェリストが社内に存在すると、様相はまったく変わってくる。新しい仕組みの詳細を社員たちにわかりやすく提示でき、改革後の未来像をクリアに示せるエバンジェリストが一人でも存在すれば、人々の反感はみるみるうちに影をひそめ、真に不利益をこうむる人だけが反対者として残るであろう。会社側は個別にそれらの人々と面談し、代案を提示すればよい。

 エバンジェリストは、ビジョンを伝達できる人のことである。そして、エバンジェリストの力は、多数の人間の意識を画期的に変化させることができるのである。このように高い影響力をもつエバンジェリストの資質とは何か。

 1.直感と想像力
 2.確信犯的熱意

本来これらは政治家に求められる資質であった。今は形をかえ、人々のなかにきらめく光を放って存在する。

------------

パラダイム:paradigm 原義は「語形変化表」

 1.科学研究を一定の期間導く、規範となる業績。
 2.ある一時代の人々のものの見方・考え方を根本的に規定している概念的枠組み