2015年4月6日月曜日

【本】英国人一家ますます日本を食べる

マイケル・ブース 著

ひとつだけ確かだと思えるのは、食べ物はその国の文化や生活に直結しているということだ ー それは世界のどの国にも当てはまる。とりわけ、日本のように、国民が食べ物に対して深く幅広い情熱を持ち、食べるために生きている国ではその傾向が強い(欧米の国のアプローチは逆で、大多数の人は、どちらかというと生きるために食べている)。日本人が何をどう食べているかを調査すると、日本の歴史や文化、日本人の生き方、希望、大志などがよくわかってきて、日本人が近い存在になってくる。

日本の食べ物は、日本そのものだ。過去、現在、そして未来永劫に通じる、日本の精神そのものだ。伊勢神宮を訪れると祖先と心が通い合ってこのうえなく心が安らぐのとおなじように、神道の精神と自然は、米と魚と味噌汁と漬物という簡素な食事を通じて豊かな文化遺産と心を通わせ、一番手っ取り早いレベル ー 食 ー によって過去、祖先、日本の本質とつながる機会を与えてくれる。

エピローグより