2009年3月3日火曜日

SUMIKA PROJECT


伊東豊雄×藤森照信×西沢大良×藤本壮介
【藤森】今回わかったのはね僕には空間がないんです。モノと場所しかない。これはすなわち間取りなんですね。皆さんとはちがう。
【伊東】藤森さんはいきなり建築ができてくるんですよね。僕たちがやってきたモダニズム以降のアプローチと全然違う。九間(ここのま)をやりたいと言い出して、あと2階の茶室。この二つがあるだけであとの要素を脈絡もなくエレベに押し込んだ。でも結局成り立っている。これはある意味とても抽象的だ。
とても抽象的に見える藤本くんの箱。あの並びはどうやって決まっていくの?
【藤本】最初は整然とグリッド状に並んでいたんです。でもなんかちがう。僕がふと模型で並べ替えたりずらしたり。また知らないときにスタッフがずらしたり。そうやってだんだんできてくるんです。
【西沢】藤森さん、模型は作らないし図面も描かないじゃないですか。あれは脅威だ。我々の仕事を根底から覆される。で、スケッチもなにもない時に「入り口の扉は60cmじゃ広すぎる」なんていきなり悩んでる。
【藤森】西沢さんはたくさん模型作るよね。
【西沢】最初は1/00、次には1/20。最後は実寸でチェックしました。
【藤森】だったら現場で作りながらやればいいじゃない。チェーンソーで。藤本くんは今回作り始める前に完成していたの?
【藤本】僕の場合は「作り始めて違った」はまずいですからねぇ。だから図面や模型で徹底的にチェックしてますよ。
【藤森】そうなんだ。僕は興味あるものしかチェックしない。だっておもしろくないでしょ。
---------------
【伊東】さて今回の建築家の選択には真っ白いものを作りそうにない人を選んだんだけど、藤本君、あれは?
【藤本】必然的にそうなったというか・・・ 中と外、自然と建築を混ぜ合わせるために木を植えました。そうすると強いんです。木が。木はいろいろありますよね。建築も素材をいろいろ持ち込むと木とごちゃごちゃになっちゃう。だから今回は木にささげる気持ちで真っ白。
【西沢】白く塗って死に至った建築家は多い。ガラスで死に至った建築家も多い。今回藤本君両方だからね。ワクチンのないインフルエンザみたいなものだと思うけど。果敢に飛び込むのはいいが回復を祈るよ。