2010年2月19日金曜日

【本】動的平衡

昨日、広尾で立川さんから聞いた線形ビジネスモデルから渦巻きビジネスモデルへシフトする話にダイレクトリンク。興味深いなぁ。パラダイムシフト。世界感、哲学の乗り換えですね。

福岡伸一 著
私たちは今、あまりにも機械論的な自然観・生命観の内に取り囲まれている。そこでは、インプットを二倍に増やせば、アウトプットも二倍になるという線形的な比例関係で世界を制御することが至上命題となる。その結果、わたしたちは常に右肩上がりの効率を求め、加速し、直線的に進まされる。
それが、ある種の閉塞状況を生み、様々な環境問題をもたらした。今、私たちは反省期に至りつつあることもまた事実である。私たちは線形性の幻想に疲れ、より自然なあり方に回帰しつつある。
そこでは、効率よりも質感が求められ、加速は等身大の速度まで減速され、直線性は循環性に置き換えられる。(略)
自然界は渦巻きの意匠に溢れている。巻貝、蛇、蝶の口吻、植物のつる、水流、海潮、気流、台風の目。そして私たちが住むこの銀河系自体も大きな渦を形成している。
私たちは人類の文化的遺産の多くに渦巻きの文様を見る。それは、人類史の中にあって、私たちの幾代もの祖先が渦巻きの意匠に不可思議さと興味、そして畏怖の念を持っていたからに違いない。
渦巻きは、おそらく生命と自然の循環性をシンボライズする意匠そのものなのだ。
そのように考えるとき、私たちが線形性から非線形に回帰し、「流れ」の中に回帰していく存在であることを自覚せずにはいられない。
広尾memo