2010年3月8日月曜日

ロボット三原則

アイザック・アシモフ『われはロボット』1950年に著された「ロボット三原則」は小説の中だけでなくその後のロボット工学に延々と影響を与え続けている。
第一条:ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。
第二条:ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。ただし、あたえられた命令が、第一条に反する場合は、この限りでない。
第三条:ロボットは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない。
2058年の「ロボット工学ハンドブック」第56版,
アイザック・アシモフ『われはロボット』より


アイザック・アシモフのロボット三原則を現実的なものに改訂するべきだと米大学の科学者らが唱えている。彼らは、今のロボットはアシモフ作品に登場するロボットのような自律性がなく、「問題はロボットではなく、ロボットを使う人間の側にある」と主張。人間がロボットに対して負う責任を強調する形で三原則を更新することを提案している。彼らの提案する三原則は以下の通り。
第一条:人間は、人間の法律および職業上最高の安全・倫理基準を満たすシステムを備えていないロボットを配備してはいけない。
第二条:ロボットは自身の役割に即した形で人間に対応するよう設計されなくてはならない。また、ロボットは限られた数の人間からの特定の命令にしか応対できない。
第三条:ロボットは自身の存在を守れるだけの十分な自律性を持つべきだ。ただし、第1条、第2条に反せず、人間とロボットの間の意思決定の権限受け渡しがスムーズにできる場合に限る。