2020年1月22日水曜日

[OOPARTS]- clenched fist 2019

彫刻家 浅野健一

日本の伝統芸能に「愚依」 「一体化」 をテーマにしながら、木彫にポップカルチャー的要素を融合させ、現代アートへと昇華させる。小さい頃に連れて行かれた寺や神社で感じた感覚が原風景となっている。祈りや畏れの心が向けられた厳かな空間に、何かが潜んでいそうな緊張感や神秘性に魅かれていた。仏像修復に携わる中で木彫や漆、腰を使った古典技法を獲得。生まれ育った尾張地区は、 江戸時代からカラクリ人形師を輩出し、職人の技が継承されてきたところである。その影響からか、 球体関節を使い、 ひもで操るカラクリの技を学び、作品は動く木彫へと進化していく。その後もモーターでカラクリを動かす茶運び人形の「電波式」 から、小型カメラを内蔵し視覚的に一体化する感覚が味わえる「武神一号機」へと、果敢に現代のテクノロジーを木彫に取り入れていく。 浅野は柔軟な発想と独創性で日本の伝統芸能を現代的センスで蘇らせている。
@新宿伊勢丹メンズ館