2020年1月27日月曜日

ニッポン

ブルーノ・タウト著

かくの如くして日本は憧慢の的となり、日本への旅は最も楽しい念願であったが、それは莫大な費用を要するために遂に夢にとどまらざるを得なかった。 
一後に到っても、形は異なってはいるが、ヨーロッパへの日本の影響はやはり強大であった。今日の近代建築が世に出た頃、すなわち一九二〇年前後にヨーロッパ住宅の簡素化に最も強い推進力を加えたのは、大きな窓や戸棚を持ち、まったく純粋な構成を有する簡素にして自由を極めた日本住宅であった。 (拙著 Die neue Wohnung 1924ーその他参照)