JR東日本東京支社は15日、山手線全29駅のホームに青色LED(発光ダイオード)照明を導入すると発表した。青色は人の心を落ち着かせるとされ、増える飛び込み自殺を防ぐ狙いだ。全線での導入は全国的にも珍しい。
支社によると、管内の駅での飛び込み自殺は06年度から42人、58人、68人と年々増えている。今年度も8月末までに18人が亡くなった。列車が進入してすぐのホームから飛び込むケースが多いといい、照明もホームの先端付近に設けられる。
青色LED照明は、JR西日本が06年12月に阪和線などの踏切、首都圏の私鉄でも、京急電鉄が08年2月に弘明寺駅(横浜市南区)のホームに設置するなどしている。青色が人間の心理に与える科学的効果は専門家の間で意見が分かれるものの、全国の鉄道各社で導入が広がっていた。
JR東日本でも、高崎支社管内のJR高崎線北上尾、桶川、北本の3駅(いずれも埼玉県)のホームで今年2月に先行実施した。中央線の荻窪、西荻窪両駅では、青色の蛍光灯を設置している。
山手線では、内外回りとも列車が入り込むホーム進入口に青色LED照明をつける。現在までに東京、新橋、有楽町などの7駅で設置しており、10月末までに完了する。支社は今後、中央線にも青色LED照明を導入する予定で、効果があれば拡大していく方針だ。(小林誠一)
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