吉川尚宏著
世界シェアの低い携帯電話の失敗を「ガラパゴス化」と評されたことから「世界的な規格に則っていない」ことには悪いイメージを持っていたなぁ。「世界のルールーに合っていないといけない」「世界の基準を守らなければならない」と。
携帯電話の失敗は「世界の規格に則らなかったこと」ではなくて「日本の規格を世界の規格にできなかった」ことだ。世界の基準・規格を作ったもん勝ち。自分に有利な環境をつくることが肝要。米議会でのロビー活動はこれが目的。品質が低かろうがルールブックは強い。ルールブックを作った者は果実を得られる。このあたり私たち今の日本人は苦手分野ですね。おっとり、ぼんやりしてるから。
あたりまえだが世界のある分野で圧倒的シェアをつくた者は強い。世界の規格ができあがってから合わせていたら後塵を拝する。VHSの規格、CDの規格を主導した日本企業はおいしい果実を得ました。先行者はガラパゴス化している。他に互換性がないのだから。
製品のガラパゴス化を恐れてはいけない。結局イノベータが勝つのだ。挑戦しなければならない。
任天堂の一連のゲーム機は他との互換性はない超ガラパゴス製品。iPhone,iPadもFlashを排除するわがまま規格でも独自ルールが支持を得て大きな利益を得ている。できあがった規格に則って製品をつくっても利益を得るのは規格を作った者だけだ。ルールブックにならなければならない。
ある程度規模のある日本市場はそこだけでも商売できる。だから独自規格で引きこもって生きていけた。だが、外部から入ってくる者は既得権を脅かされるので排除しようとする。排除するときには政府を巻き込んで同業一致団結。縮小する日本にとって本当に大事なのは日本に対する投資の拡大。既存企業が国外に出て行って外国に多額の税金を納め、外国で雇用を増やしても日本に住む者への利益はない。国が注力すべきは日本企業が日本から出て行くことの応援ではなくて、ガラパゴス化を防いで外国からの投資先として魅力的で活動的な国への体質変換することだ。既存企業は排除と守りの姿勢では存続できない状況になりますが、健全でしょう。外国人が起業して世界を市場としているトレンドマイクロが東京に本社を置いている。こういう企業を増やす。早くやったほうがいいなぁ。元気な明るい国になると思う。