2010年5月15日土曜日

【本】理科系の作文技術

木下是雄 著


1940年, 壊滅の危機に瀕した英国の宰相の座についたウィンストン・チャーチルは,政府各部局の長に次のようなメモを送った.
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われわれの職務を遂行するには大量の書類を読まねばならぬ. その書類のほとんどすべてが長すぎる. 時間が無駄だし,要点を見つけるのに手間がかかる.
同僚諸兄とその部下の方々に,報告書をもっと短くするようにご配慮ねがいたい.
  1. 報告書は,要点をそれぞれ短い,歯切れの言いパラグラフにまとめて書け.
  2. 複雑な要因の分析にもとづく報告や,統計にもとづく報告では,要因の分析や統計は付録とせよ.
  3. 正式の報告書でなく見出しだけを並べたメモを用意し,必要に応じて口頭でおぎなったほうがいい場合が多い.
  4. 次のような言い方はやめよう:「次の諸点を心に留めておくことも重要である」,「…を実行する可能性も考慮すべきである」. この種のもってまわった言い廻しは埋草にすぎない. 省くか,一語で言い切れ. 思い切って,短い,パッと意味の通じる言い方を使え. くだけすぎた言い方でもかまわない.