スティーブン・ジェイ・グールド 著
バージェス頁岩で発見される動物群を広く知らしめた著作。特にアノマノカリスはこれでスターになった。
カンブリア紀には現在よりも多様な生物体系が存在し、今に収束してきたという、枝分かれ拡大多様化する従来の進化に対する考え方に疑問を提する主旨。人間も存在しているのは偶然なのですよ。ということ。
本作に重要なバージェス動物研究者として登場するサイモン・コンウェイ・モリスが後に『カンブリア紀の怪物たち』で本作に反論するかたちとなった。バージェス動物群は今の体系にほぼ収まるのですよと。いろいろ人間模様があるらしい。私はグールドの考え方に惹かれる。
グールドは研究者よりも著作家としての評価が先行したようす。読み物としておもしろい。分厚くて時間かかったけど。