マルコ・イアコボーニ 著
塩原 通緒 訳
訳者のまとめ。
ミラーニューロンは自分がある行動をしているときに活性化するニューロンでありながら、その行動を他者がしているのを見ているときにも同じように活性化するニューロン。
私たち人間の脳内には、他人のしていることを見て、まるで自分がそれをしているかのように感じさせる細胞があったということになる。だから私たちは、他人の喜ぶ顔を見ればつい自分も笑顔になるし、他人が悲しんでいるところを見ればもらい泣きもする。他人がなにをしようとしているか、なぜそうしようとしているかも、他人の身振りや表情から、すぐに察しがつく。私たちの「共感」の土台は、このミラーニューロンにあったと考えられるのである。