2009年2月28日土曜日

【本】方丈記:鴨長明

「ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。淀みに浮かぶうたかたは、かつ消え、かつ結びて、久しくとどまりたる例なし。」
「干時、建暦のふたとせ、やよひのつごもりごろ、桑門の蓮胤、外山の庵にて、これをしるす。」

【無常観】
無常(むじょう、Skt:anitya)は、この現象世界のすべてのものは消滅して、とどまることなく常に変移しているということを指す。釈迦は、その理由を「現象しているもの(諸行)は、縁起によって現象したりしなかったりしているから」と説明している。

【日本人と「無常」】
「祇園精舎の鐘の声」ではじまる軍記物語『平家物語』、吉田兼好の随筆『徒然草』、「ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず」ではじまる鴨長明の『方丈記』など、仏教的無常観をぬきに日本の中世文学を語ることはできない。単に「花」といえばサクラのことであり、いまなお日本人が桜を愛してやまないのは、そこに常なき様、すなわち無常を感じるからとされる。「永遠なるもの」を追求し、そこに美を感じ取る西洋人の姿勢に対し、日本人の多くは移ろいゆくものにこそ美を感じる傾向を根強く持っているとされる。「無常」「無常観」は、中世以来長い間培ってきた日本人の美意識の特徴の一つと言ってよかろう。

2009年2月26日木曜日

My眼底Portrait



黒く見える場所は「黄斑部」。網膜の中心で視力に最も影響するらしい。
黄斑の中央部は網膜が0.05mm程度と薄くすり鉢状に凹んでおり、中心窩と呼ばれる。中心窩は、視力が最もよい場所。
明るい部分は網膜全体の神経線維が集まり眼球外へと出て行く「視神経乳頭」。
視神経乳頭には視細胞が存在していないため、この部位では物を見る事が出来ない。いわゆる盲点(マリオットの盲点)はこの部分に相当する。
枝のように延びているのは血管。濃い色が網膜静脈。薄い色が網膜動脈。

ライト・[イン]サイト
思考プロジェクター:Der Gedankenprojektor にて撮影。

《思考プロジェクター》2007年
エイリアン・プロダクションズ
発明家のニコラ・テスラ*が1933年に語った,「体験者の思考を(網膜を通して)撮影するカメラ」,という実現されなかった構想に触発されたインスタレーション作品.体験者は,自身の眼の表面と眼底の高解像度画像を,正面の壁に拡大されたプロジェクション映像として見ることになる.この画像は,アーティストがあらかじめ制作した映像アーカイヴとオーヴァーラップしながら左の壁にプロジェクションされ,またその画像がインターネットでストリーミングの後,人々のコメントが追加された上で右の壁にプロジェクションされる,という3段階のプロセスをたどる.

※ニコラ・テスラ:1856年-1943年.クロアチアに生まれ,NYで活動した発明家および電気技師.交流電流,ラジオ,無線トランスミッター,蛍光灯,空中放電実験などの多数の発明,また無線送電システム(世界システム)の提唱で知られる.多くのメディア・アーティストから尊敬を集める存在.

※エイリアン・プロダクションズ
マルティン・ブラインドル (1963年オーストリア,ウィーン生まれ,在住).ノーベルト・マット(1962年イタリア生まれ,ウィーン在住),アンドレア・ソドムカ(1961年ウィーン生まれ,在住),オーガスト・ブラック(1975年米国生まれ,サンタバーバラおよびメキシコ在住)により構成.1985年の結成以来,新たなメディアやテクノロジーに対する理論的,実践的な探求を,メディア・パフォーマンス,インタラクティヴ・インスタレーション,ネット・アート,ラジオ・アート.サウンド・アート,写真など多様な表現により展開.各人のソロ活動や他のアーティストや科学者,技術者とのコラボレーションも多数.
http://alien.mur.at/

2009年2月25日水曜日

身体的感覚で光を捉えよ。


ピーター・ズントー:ブルーダークラウス野外礼拝堂内観・2007年

2月24日 飯島直樹氏+中前公晴氏 トークセッションにて。

2009年2月19日木曜日

東京大学福武ホール

建築の際 第3回 形式の際
ゲスト: 青木淳 × 菊地成孔 × 岡田猛
【DEGUSTATION】= 試食
 菊地成孔がスペインの「エル・ブリ」というレストランの「デギュスタシオン」という一口サイズの料理を50皿近く出すというコース料理からインスパイアされて作ったアルバム。1分~3分程度の一口サイズ楽曲を40曲収録。アーティストは一人づつ別々に異なるBPM(スピード)で即興。後で菊池がコンピューターで編集して曲とした。クロノス的時間から抜け出すトライ。Jazzの基本は演奏者が会して、合わせ、各々ソロで語りつくすことが基本だが、その3つをはずしてもJAZZとして成り立つ。菊池はオーネット・コールマンの登場のようなあたりを焼き尽くして新しい街を興すのではなく、ゆっくりと伝統を踏まえた変化を興したいという。
 アーティストは今や説明責任を持っている。様々なメディアを通じて作品の「種明かし」をしなければならない。取材を受けないとBLOGなどで自ら赤裸々に語る時代。その「種明かし」だけを取り出したものがコンセプチュアル・アートだ。

光を感じるタイルカーペット

2009年2月18日水曜日

グループとチーム

ソニーのデザイナーは200名ほどいます。それに対してアップルのデザインチームは20名ほどしかいないんです。なのに今これだけの差が出ているのはソニーは「グループ」でアップルは「チーム」なんだと思います。
同じ種類の仕事をしている人たちが集まっているのが「グループ」でオレがオレがの雰囲気がある。ともすればグループを維持することを目的に目標設定しかねない。クリエイティブな目標を失った集団にクリエイティブな成果は期待できない。
「チーム」には強力なリーダーを配して一つの目標を完遂するために各々役割を責任持ってしっかりとやり遂げる。目標完遂したおりには「チーム」は解散する。「チーム」は強いです。
片岡哲氏談

「チーム」は軍隊の小隊と同じだと感じた。我々日本人は従軍経験を持たずミッションを遂行するための個人の責任を本当には理解していないのかもしれない。

2009年2月17日火曜日

メディアテーク・チューブの中

やまびこ・つばさ連結部

日立ライティング 省エネ蛍光灯を量産

日立ライティングは4月から高効率蛍光灯を量産する。10億円を投じ青梅事業所内に製造設備を導入。09年度内に約10機種を売り出す。09年度の改正省エネ法では工場や大型商業施設に加え、コンビニなども規制対象となる。環境配慮型の照明機器市場が拡大するとみている。
量産する高効率蛍光灯は、電極部分を最適温度にする設計で専用機器と組み合わせた場合、従来蛍光灯に比べ消費電力を最大で約5割抑えられる。寿命は2倍弱の2万時間。
照明業界ではLED照明に力を入れる企業が多いが、日立ライティングは高効率蛍光灯の方が実用性が高いと見ており、環境配慮形照明の中核に据える。

2009年2月14日土曜日

ザ・マジックアワー

よーく晴れた日の夕暮れを思い浮かべてくれ。徐々に日は落ちていく。落ちては行くがまだ太陽が出ているからあたりは暗くはない。さらに日は落ちる。太陽は半分だけ山の向こう側に隠れる。それでもまだ空は明るい。やがて太陽は完全に消えてなくなる。本当に暗くなるのはそれからだ。太陽が消えてから周囲が暗くなるまでの僅かな時間。それがマジックアワーだ。昼と夜の間。世の中が一番きれいに見える瞬間。その瞬間にキャメラを回すとだな、幻想的なあわーい光に包まれたいい画が撮れるんだよ。だから俺達映画屋にとっちゃな、マジックアワーは一日のなかで一番大事な時間なんだ。

2009年2月11日水曜日

【本】さおだけ屋はなぜ潰れないのか?

山田哉 著

 商売を続ける為には利益を出さなければならず、利益を出すためには売上(売価)を上げるか、コストを下げるしかないということを言いたいのである。つまり、押し売りで値段を吊り上げるか、副業としてコストのかからない商売として運営するかということである。

 普段はコツコツと節約をしている人が「たまにはパーッと」豪華な食事を取る場合、毎日100円の節約で、5万円の食事をすると、100円×365日-50,000円=マイナス13,500円となってしまう。よく考えれば当然のことだが、こういった人のことを筆者は、毎日100円貯めているという事実に満足してしまい、節約した気になっているだけで会計を見ていない、と厳しく指摘している。会計とは数字を大きく捉えることであり、全体的に効果の大きい部分にメスを入れていくことでもあるのだ。また、最近流行の食器洗浄器。水道代が節約できるという謳い文句に釣られて買ったはいいが、電気代が高くかかって、結局、家計トータルでは節約できていない、といった現象が起きているそうである。表面的な数字にごまかされず、本質をよく見なさいということ。

 全日空が「50人に1人が無料」というキャッシュバック・キャンペーンをした。これは冷静に考えると、企業にとっては2%の値引きと同じなのである。しかし、コンシューマーは「無料」という響きにつられて、しかも空港での50人に1人というのは結構な確立である為、あちこちで「当たった!」という声が聞こえて来るので、多くの人がこのキャンペーンに申し込んだ。たった2%の値引きで非常に大きな効果を出したが、筆者曰く、このキャンペーンを考案した人は非常に数字に対するセンスがある人とのこと。同じ2%引きをどう表現するかのセンスも重要であるし、その裏に隠された真実を見極めることも重要。

 「会計」というよりも「数字」に対するセンスを磨きなさいという主旨。

2009年2月9日月曜日

2009年2月6日金曜日

巣と洞窟

建築の原形って幾つかあると思うのですが、これを説明するときに僕は「巣と洞窟」という例えを使っています。僕の中では巣というのは住む人に合わせてつくり込んでいく、しつらえていく、そういう場所です。いわゆる機能的に住むことができるというのが巣なんじゃないかと考えています。

それに対して、洞窟というのはもともとそこにある場所なので、住む人にとって住みよいかどうかというのはよく分からないんですよね。ただ、そこに入り込んでいって、中の凹凸や地形に対して住む人がいろんな発見をしていって、それで、何とか住みこなしていく。だから、つくり込まれた機能的な巣というものに対して、そうではなく、もともとあるところに入っていっていろんな手がかりを見つけたり、空間から刺激をもらったりしていろんな発見をしていく、それが洞窟です。

どちらかというと僕は洞窟的な場所のほうがこれからの住む場所としては楽しいんじゃないかという気がしているんですね。それは、つくられたものとできてしまったものの対比だと言えると思っています。
[ 藤本壮介氏 MARIOT-EVENT in SAPPORO 2008/1/30 ]

山形高畠「一の沢洞窟」 Photo A.Sasaki H.14/6/30

2009年2月4日水曜日

都市鉱山

都市鉱山(としこうざん、英語:urban mine)とは、都市でゴミとして大量に廃棄される家電製品などの中に存在する有用な資源(レアメタルなど)を鉱山に見立てたものである。そこから資源を再生し、有効活用しようというリサイクルの一環となる。地上資源の一つでもある。
1980年代、東北大学選鉱製錬研究所の南條道夫教授らが提唱したのが最初である。その後、東北大学多元物質科学研究所の中村崇教授らによって、都市鉱山開発のための人工鉱床計画などの構想も生まれた。近年の産業界では、レアメタル価格の暴騰などにより、廃棄された携帯電話やパソコンの部品から希少資源を回収するなどの対策が進められており、都市鉱山という概念が再評価されている。

日本の都市鉱山
都市鉱山という観点から見ると、日本は世界有数の資源大国である。独立行政法人物質・材料研究機構が2008年1月11日に発表した数字によると、日本の都市鉱山に存在する金の総量は6,800トンで、これは全世界の現有埋蔵量の約16%にあたる。銀は60,000トンで、これは世界の埋蔵量の22%にもおよぶ。同様にインジウムは世界の61%、錫は11%、タンタルは10%と、日本の都市鉱山には全世界埋蔵量の一割を超える金属が多数存在する。

Wikipediaより