2009年2月11日水曜日

【本】さおだけ屋はなぜ潰れないのか?

山田哉 著

 商売を続ける為には利益を出さなければならず、利益を出すためには売上(売価)を上げるか、コストを下げるしかないということを言いたいのである。つまり、押し売りで値段を吊り上げるか、副業としてコストのかからない商売として運営するかということである。

 普段はコツコツと節約をしている人が「たまにはパーッと」豪華な食事を取る場合、毎日100円の節約で、5万円の食事をすると、100円×365日-50,000円=マイナス13,500円となってしまう。よく考えれば当然のことだが、こういった人のことを筆者は、毎日100円貯めているという事実に満足してしまい、節約した気になっているだけで会計を見ていない、と厳しく指摘している。会計とは数字を大きく捉えることであり、全体的に効果の大きい部分にメスを入れていくことでもあるのだ。また、最近流行の食器洗浄器。水道代が節約できるという謳い文句に釣られて買ったはいいが、電気代が高くかかって、結局、家計トータルでは節約できていない、といった現象が起きているそうである。表面的な数字にごまかされず、本質をよく見なさいということ。

 全日空が「50人に1人が無料」というキャッシュバック・キャンペーンをした。これは冷静に考えると、企業にとっては2%の値引きと同じなのである。しかし、コンシューマーは「無料」という響きにつられて、しかも空港での50人に1人というのは結構な確立である為、あちこちで「当たった!」という声が聞こえて来るので、多くの人がこのキャンペーンに申し込んだ。たった2%の値引きで非常に大きな効果を出したが、筆者曰く、このキャンペーンを考案した人は非常に数字に対するセンスがある人とのこと。同じ2%引きをどう表現するかのセンスも重要であるし、その裏に隠された真実を見極めることも重要。

 「会計」というよりも「数字」に対するセンスを磨きなさいという主旨。