2009年3月31日火曜日

Curiosity 「Light-Light」


Light-Light movie

グエナエル・ニコラの話。
「外国のホテルのロビーやレストランは照明の光がとてもフラット。だけど、日本ではパートごとに光の強さが異なって、コントラストからリズムが生まれている。明るいところを人は早く歩くし、暗くなると慎重になる。光によって歩くスピードが変化します。」
「春と秋がこんなに豊かな季節だとは知らなかった。フランスにも四季はあるけれど、中間期は重要ではなく、『夏休みのある夏+冬休みのある冬=1年』と大ざっぱ。それぞれ楽しみ方の異なる充実した季節だと今は思う」
「日本とフランスでは光が全然違う。特に東京の冬は、太陽が低く光が強い。パリの暗さとはまったく逆。朝起きたときの眩しさに惹かれて、東京に住みたいと思った。」
エスクァイア2009年5月号より抜粋
パリの空は・・・

2009年3月30日月曜日

アース・アワー

地球温暖化防止を訴えるためにビルなどの照明を消すイベント「アース・アワー」が行われた28日、ニューヨーク市ではエンパイアステートビルやロックフェラーセンターなどが一斉に消灯し、華やかな摩天楼から派手なネオンが消えた。
米でアース・アワーへの主要な参加都市はシカゴ、ラスベガス、ロサンゼルス、サンフランシスコなど。

2009年3月28日土曜日

エバンジェリスト

(1)キリスト教における福音伝道者
(2)ある製品の熱狂的信奉者で,他人にその良さを伝えようとする人。
(3)情報通信産業などにおいて,自社製品の啓発活動を行う職種

「新しいパラダイムを広める」ということに特化した人物をエバンジェリストと考えればよい。

 職種としてのエバンジェリストはまだ数が少ないが、存在としてのエバンジェリストを考えると、身近にかならずといっていいほど存在する。
 たとえば「○○のことならあいつに聞け」といわれるような人は、本人の意識の如何にかかわらず、エバンジェリストの卵といっていいだろう。あなたは周囲のだれかに影響を受け、ある趣味の世界に入り込んだことはないだろうか。そしていつのまにか仲間が増えていたことは?
 周囲をあることに注目させ、興味を持たせ、知識を伝達するのみならず集団的にある変革に向かわせることができる人はすべてエバンジェリストである。こういう人は社会的価値が高い。

 ある企業が構造改革のためにまったく新しい仕組みを導入することを考えたとしよう。おそらく、当初は多くの反発にあうはずだ。今のやり方がガラガラと音をたてて崩れていくのだから当然である。これらの反発をおさえ、前向きに対処するようにもっていくのは並大抵のことではない。
 しかし、そのときの反発のなかには、不必要な反発も含まれている。多くは先の見えない不安から来ているからだ。そんなとき、エバンジェリストが社内に存在すると、様相はまったく変わってくる。新しい仕組みの詳細を社員たちにわかりやすく提示でき、改革後の未来像をクリアに示せるエバンジェリストが一人でも存在すれば、人々の反感はみるみるうちに影をひそめ、真に不利益をこうむる人だけが反対者として残るであろう。会社側は個別にそれらの人々と面談し、代案を提示すればよい。

 エバンジェリストは、ビジョンを伝達できる人のことである。そして、エバンジェリストの力は、多数の人間の意識を画期的に変化させることができるのである。このように高い影響力をもつエバンジェリストの資質とは何か。

 1.直感と想像力
 2.確信犯的熱意

本来これらは政治家に求められる資質であった。今は形をかえ、人々のなかにきらめく光を放って存在する。

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パラダイム:paradigm 原義は「語形変化表」

 1.科学研究を一定の期間導く、規範となる業績。
 2.ある一時代の人々のものの見方・考え方を根本的に規定している概念的枠組み

2009年3月27日金曜日

「あかり」とつきあう

スイッチを入れる。ボリュームを絞る。あかりを持って移動する。あかりを上げる、下げる。
あかりに能動的に、身体的感覚をもってかかわりたい。与えられるだけのあかりはつまらない。自分とあかりのつきあいにしたい。筋肉を使って感じたい。触覚を大事にしたい。腑に落ちたい。対話したい。Light-Dialog
あかりに触れる。あかりの中を泳ぐ。あかりを浴びる。あかりと戯れる。あかりをプレゼント。

2009年3月26日木曜日

「人間の覚悟」 五木寛之

「あきらめる」ことを「覚悟」と表現した。「あきらめる」とは「明らかに究める」こと。「はっきりと現実のあり方を見定める」「現実をありのままに冷静に判断する」行動するためには自分の置かれた状況をはっきしと見極めること。感情に左右されたり示威的に見たりしないこと。人間は見たいものしか見ない。期待することしか見ない。冷静に見たくないものもしっかり見ることが大事。

 これから大きな変革が起きる。金融危機を受けて政治家や経済学者は経済回復は2,3年かかる、4,5年かかると言われているがこれは冷静な判断ではない。40~50年はかかるのではないかと思う。グリーンスパンが100年に1度の危機と言ったが甘い。500年に1度の変革期が訪れていると思う。ルネサンスヒューマニズムの崩壊かもしれない。 1991年から社会変化を感じはじめたが2001年の9.11ではっきりと世界が回り始めた。このような大転換期にあると認識すべき。

 状況判断的には悲観的に、行動的には楽観的にすべきだ。
イギリスのコリン・ウィルソンは「口笛を吹きながら夜を行け」と言っている。まず今は昼か夜か判断すること。夜ならばそれなりの歩き方をすること。今歩いている道が雪道なのか荒れ道なのか舗装道なのか見極めて状況にあわせた歩き方をすべき。夜の道も悪くない。

 日本はこの50年間「躁」の時代だった。こらから「鬱」の時代。戦後高度成長期ずっと躁の状態で走り続けてきた。バブル崩壊を受けて「鬱」の時代に入った。今生きている人は「鬱」の時代を覚悟して生きるべき。
状況である。いやでも見極めなければならない。我々は「日はまた昇る」などと妄想を抱かずに「優れた小国」へ向けて努力すべき。少子化、GDP減少を受け入れて「尊敬される国」を目指すべきだ。

2009年3月25日水曜日

「The Light Field −光の場−」大庭 大介

 

東芝 LEDモジュール量産

2009年度から3年間で約100億円を投じて国内に生産設備を導入。09年度に月数万個、11年度に月数十万個の生産を見込む。
モジュールの大きさは横75ミリ、縦56ミリ、厚さ2ミリ。東芝ライテックが昨年発売した製品に比べ明るさは約3倍。自社向けだけでなく、国内外の照明メーカーにも外販する方針。
東芝ライテックの09年度のLED照明事業の売上は数十億円。モジュール販売などを加え、グループ全体で15年度に同事業の売上高を3500億円に引き上げるのが目標だ。

2009年3月23日月曜日

新宿三丁目駅


吉忠のLED面照明システムらしい。

「そもそも」

ドラフトのOB柿木厚は言う。
「優れた企業は理念やフィロソフィーを持っています。しかし長いことやっていると、商品がその理念からズレてしまうことがある。ズレを感じたら企業の理念と自分の信念に立ち帰って、商品やブランドのあるべき姿を考えてみる」
デザインを「志」と「仕組み」と「表現」の3つの段階で考えてみるとドラフトの姿勢に近づける。

筆者は菊竹清則の「か、かた、かたち」理論を思い出した。
菊竹は50~60年代からデザインを「か=本質」「かた=実態」「かたち=現象」の3段階で捉える設計方法を提唱している。
用語は少々難しいが、実にシンプルで明快な考え方である。
眼に見えるのが「現象」。色や形、つまり表現の世界である。その奥に「実体」がある。ものを成り立たせる仕組みや構造、理論の部分。華道や空手なら型。ゴルフや野球なら、フォーム。型を覚えて形ができる。フォームをマスターすれば、いろいろな局面に対応できる。
さらにその奥の「そもそも」の次元に「本質」がある。
本質は志とも言いかえられる。理念・信念・フィロソフィーと呼んでもいい。
志をそのまま表現しても熱いことを言う人で終わってしまう。仕組みからつくるから社会をちょっと変えられる。けれども仕組みを維持するために人間をどこかに置き忘れてしまうのだ。
より多くの収益を出すシステムをつくるために、さらなる効率を追求する新技術を導入するために、人間が居場所を失っていく。

宮田のディレクションに貫かれているものは、仕組みを「そもそも」の次元に照らし合わせる姿勢である。
本質は何か、そもそも何のためかを考えて、仕組みからつくっていく。

志と仕組みと表現-
この3つが揃って「道」が見える。「道」は人のためのものである。志を忘れ、お金や機会のためになった仕組みに「道」はない。



「デザインするな」 藤崎圭一郎著
GGG
[DRAFT展 ブランディングとアートディレクター]
にて
DRAFT

2009年3月20日金曜日

【本】原初的な未来の建築|Primitive Future


  1:巣ではなく洞窟のような
  2:5線のない楽譜/新しい幾何学
  3:離れていて同時に繋がっている
  4:街であり同時に家であるような
  5:大きな木のなかに住むような
  6:あいまいな領域のなかに住む
  7:ぐるぐる
  8:庭
  9:家と街と森が分かれる前へ
 10:ものと空間が分かれる前へ

2009年3月15日日曜日

2009年3月14日土曜日

【本】日本文化私観:坂口安吾

見たところのスマートだけでは、真に美なる物とはなりえない。すべては、実質の問題だ。美しさのための美しさは素直でなく、結局、本当の物ではないのである。要するに、空虚なのだ。そうして、空虚なものは、その真実のものによって人を打つことは決してなく、詮ずるところ、有っても無くても構わない代物である。法隆寺をとりこわして停車場をつくるがいい。我が民族の光輝ある文化や伝統は、そのことによって決して亡びはしないのである。武蔵野の静かな落日はなくなったが凛々たるバラックの屋根に夕陽が落ち、埃のために晴れた日も曇り、月夜の景観に代わってネオン・サインが光っている。ここに我々の実際の生活が魂を下している限り、これが美しくなくて、何であろうか。見給え、空には飛行機がとび、海に鋼鉄が走り、高架線を電車が轟々と駆けて行く。我々の生活が健康である限り、西洋風の安直なバラックを模倣して得々としても、我々の文化は健康だ。我々の伝統も健康だ。必要ならば公園をひっくり返して菜園にせよ。それが真実ならば、必ずそこにも真の美が生まれる。そこに真実の生活があるからだ。そうして、真に生活する限り、猿真似を羞じることはないのである。それが真実の生活である限り、猿真似にも、独創と同一の優越があるのである。

1942年2月28日発行「現代文学 第五巻第三号」

2009年3月11日水曜日

【本】西堀榮三郎の言葉

「人材を育てる方法は、ただ一つ。仕事をさせ、成功させることである。成功経験が人を育てる。さらに大きな仕事をさせる。人と仕事の美しい循環を成立させることである。」
「チームワークの用件は、目的に対する共感、誇りと恥の意識である。過度の功名心・功名の独り占め意識は、チームワークの大敵である。抜け駆けの功名では、困難な仕事は達成できない。」
「同じ性格の人達が一致団結していても、せいぜいその力は『和』でしか増さない。だが、異なる性格の人たちが団結した場合には、それは『積』の形でその力が大きくなるはずだ。」
「チャンスは逃すな。まず決断せよ。石橋を叩くのは、それからである。」
「作る人は、よい製品・人に喜んでもらえる製品を作る為に魂を込める。よい品質は、作る人の魂の証である。」
「人間は一人一人の許容の幅が異なるのに、一定の型にはめて管理すればトラブルが起こる。主体性を認めて、理屈に合う型ならば理解を得られる。あとは『異質の協力』や。同じ人間が何人いても、こういう探検のような場では役に立たんから。」
「個性は変えられない。能力は変えられる。」
「もっと能率よくやりなさいよ。能率というのは『目的を果たしながら、もっとも要領よく手を抜くこと』である。」
「人にとって最も恐ろしいのは、惰性で日を送ることである。向上心があれば、飽きることがない。仕事・生活の中に、向上の道を残さねばならない。向上を求めなければならない。」
「人間も含み、森羅万象みな大自然や。それを知るのが科学で、知りすぎることはない。そこで得た知識をどう使うかが技術で、技術者には人倫がなければあかん。」

■西堀 栄三郎(にしぼり えいざぶろう、1903年(明治36年)- 1989年(平成元年)4月13日)は、日本の登山家、無機化学者、技術者。従四位。
京都一中、三高を経て、京都帝国大学理学部化学科卒業。京大講師、助教授を歴任した後、東京芝浦電気(東芝)に移る。東芝技術本部長時代には海軍の要請を受けて真空管ソラを開発し、技術院賞を受賞した。材料不足の状態でも大量生産できるように、微細な部分に至るまで製造マニュアルを完備し、"新橋の芸者を集めてでも製造可能"とされた。
戦後は独立コンサルタントとして統計的品質管理手法を日本の産業界に持ち込み、デミング賞や電電公社総裁賞を受賞。戦後日本の飛躍的な工業発展の礎の1つとなった。
京大に助教授、教授として復帰してからも精力的に活動し、第一次南極観測隊の副隊長兼越冬隊長や日本山岳協会会長を務める。日本初の8000m級登山であるマナスル登山計画時にはネパール政府との交渉役として活躍。日本原子力研究所理事や日本生産性本部理事も務めた。

鹿沢温泉において、「雪山讃歌」を作詞したことでも知られる。
語学に堪能であり、アインシュタインの来日の際に3日間通訳を務めた。

プロジェクトX リーダーたちの言葉より

2009年3月9日月曜日

生活が記号化している。

コンビニで「おにぎり」は「おにぎり」という記号になっている。「おにぎり」を涎を垂らしながら買うのが本当だと思うが、「おにぎり」というモノを買って食べている。もしかするとオイシイとさえ感じていないかもしれない。
すべての商品は記号化し記号化することでアピールする。その記号を求めて人は購買行動をおこす。いかにコンビニでアピールできるかはコンビニの照明と切り離して考えられない。暗がりのない充分すぎる光の量。その中で目立つためにはより大きな声で叫ぶか、地味に黙っているかだ。
我々は何もかもを「わかる」ようにしてきた。「わかる」ように「わからない」ことを排除してきた。あかりは「わからない」ことを排除するために隅々まで均質に照らすことを良しとしてきた。しかし「わからない」ことは創造力を掻き立てる。闇は「わからない」こと。非常に豊かだ。谷崎は日本文化は闇の文化と評した。闇と少ない光を再考すべきだろう。
佐藤卓氏×面出薫氏

ラフォーレミュージアム六本木のスポットライト

2009年3月3日火曜日

SUMIKA PROJECT


伊東豊雄×藤森照信×西沢大良×藤本壮介
【藤森】今回わかったのはね僕には空間がないんです。モノと場所しかない。これはすなわち間取りなんですね。皆さんとはちがう。
【伊東】藤森さんはいきなり建築ができてくるんですよね。僕たちがやってきたモダニズム以降のアプローチと全然違う。九間(ここのま)をやりたいと言い出して、あと2階の茶室。この二つがあるだけであとの要素を脈絡もなくエレベに押し込んだ。でも結局成り立っている。これはある意味とても抽象的だ。
とても抽象的に見える藤本くんの箱。あの並びはどうやって決まっていくの?
【藤本】最初は整然とグリッド状に並んでいたんです。でもなんかちがう。僕がふと模型で並べ替えたりずらしたり。また知らないときにスタッフがずらしたり。そうやってだんだんできてくるんです。
【西沢】藤森さん、模型は作らないし図面も描かないじゃないですか。あれは脅威だ。我々の仕事を根底から覆される。で、スケッチもなにもない時に「入り口の扉は60cmじゃ広すぎる」なんていきなり悩んでる。
【藤森】西沢さんはたくさん模型作るよね。
【西沢】最初は1/00、次には1/20。最後は実寸でチェックしました。
【藤森】だったら現場で作りながらやればいいじゃない。チェーンソーで。藤本くんは今回作り始める前に完成していたの?
【藤本】僕の場合は「作り始めて違った」はまずいですからねぇ。だから図面や模型で徹底的にチェックしてますよ。
【藤森】そうなんだ。僕は興味あるものしかチェックしない。だっておもしろくないでしょ。
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【伊東】さて今回の建築家の選択には真っ白いものを作りそうにない人を選んだんだけど、藤本君、あれは?
【藤本】必然的にそうなったというか・・・ 中と外、自然と建築を混ぜ合わせるために木を植えました。そうすると強いんです。木が。木はいろいろありますよね。建築も素材をいろいろ持ち込むと木とごちゃごちゃになっちゃう。だから今回は木にささげる気持ちで真っ白。
【西沢】白く塗って死に至った建築家は多い。ガラスで死に至った建築家も多い。今回藤本君両方だからね。ワクチンのないインフルエンザみたいなものだと思うけど。果敢に飛び込むのはいいが回復を祈るよ。