2009年11月12日木曜日

【本】白川静


松岡正剛 著

私が学会の少数派だという批評については私から何も申すことはありません。多数派とか少数派とかいうのは、頭数でものを決める政党の派閥の考え方で、大臣の椅子でも争うときに言うことです。学術にはなんの関係もないことです。学会にはほとんど出ませんから、その意味では少数派ですが、そもそも私には派はないのです。
詩においては「弧絶」を尊び、学問においては「弧詣独往」を尊ぶのです。弧絶、独往を少数派などというのは、文学も学術もまったく解しないひとの言うことです。
(中略)学問の道はあくまでも「弧詣独往」、雲山万畳の奥までも、道を極めてひとり楽しむべきものであろうと思います。