2010年11月12日金曜日

【本】生物から見た世界


ユクスキュル/クリサート 著
日高敏隆/羽田節子 訳

こどものころずいぶん考えた。「ぼくが見ている世界はみんなと同じだろうか。同じような色で同じような形に見えてるんだろうか」それは確かめようがないと考えたので、そのうちにその思索をやめた。

ユクスキュルはこの本で「生物によって認識している世界がまったく違うのだ。世界観は種による主観でずいぶんちがうものだ」と述べている。初版1934年当時は客観的でない論は科学ではないと認められなかったという。しかし、主観を理解しないとその生物を理解できないというのが正しいと思う。

ウニの例がおもしろかった。光と影に反射する。影を識別すると、トゲを影の方向へ向ける。これは1本1本が反応しているのであって、中央制御した結果下はない。分散型制御ロボットと変わらないではないか。