
2026年
監督 - モコちゃん
草薙素子 - 坂本真綾
荒巻大輔 - 山路和弘
バトー - 安元洋貴
トグサ - 中村悠一
人形使いと素子の会話
原作1990年頃 インターネット普及前の創作とは思えない。
(素子)
人形使いは消滅したはずよ
それともそれは私の記憶の混乱?
(人形使い)
その質問を私にするのは不適切だな
君たちつまり物質宇宙は沈殿物のような部分でしかない
そうでなければ意味や無記録情報などというものは存在しないこと
(素子)
その人形使いが私に何の用?
幽霊になって 化けて出てるわけ?
(人形使い)
あることを理解してもらったうえで頼みがある
君にも私にも利益のある話だ
あるネットがカタストロフを避け
安定した平衡状態を保つためにはどうする?
(素子)
1つは 2種のコピーを取ること
一方が何らかの要因で滅んだとしても他方が存続するわ
もう一つは自己内部を分業細分化し
さまざまなタイプの破局に対応できるように多機能化すること
生物が単機能単細胞から
多機能多細胞化したようにね
(人形使い)
そのとおり
第1の視点からは
パラレルな多重宇宙像が帰結する
コピーが更にコピーを生み
増えれば増えるほど
破局の可能性は低くなる
第2の視点からは複雑さが帰結する
超大統一論からはボソンとフェルミオン...
重力や強い相互作用などが次々分かれ
部品は陽子を
原子核は原子を作り出した
これは宇宙自体の
多機能化と見なすことが可能だ
生物個体における細胞や組織
生態系における多様な種も同様な過程と見なせる
我々の知る宇宙は
組み合わせ的に相互作用しつつ
2のn乗個に分していく
宇宙の1つでありー
m世代にまで分化した要素の組み合わせから構成されている
nやmの値は無限に続くようにも見えるが分からない
宇宙の爆発的連鎖誕生とも関連があるようだが
我々を含むこの宇宙1つに話を限定しよう
これは
君を中心に考えた構造のピラミッド
系統の近い同じ9課の部員や友人上司には一
君の情報が極めて部分的ではあるが残される
ジーンやミームは
君が消えたあとも成長を続ける
ドーナツ状にね
上に行くほどレベルは巨視化し
決定論的に振る舞う
逆に下は微細構造に行くほど
非決定論的になる
個人というレベルはまだ非決定論的だ
言いかえれば下の階層の揺らぎが上の階層の動脈硬化を防いでいる
システムの硬化…
熱的死は一見安定の念に近いようだが
“変化にしく一様で揺らがないシステム”では一
破局の可能性が増大し真には不安定といえる
ネットワークは超字サイズで無限の深さを持ち
成長する樹のようだ
(素子)
生命は枝の先になる果実ってところね
(人形使い)
そうだな
果実だ
カバラの奥義 北欧神話 中国神話
エデンの知恵の樹 生命樹 世界樹
この場合は
アメノミハシラという名が適している
時代文化人種を問わずー
多くのチャネラーがアクセスし
語り継いできた宇宙のシステムだよ
幹の先はもう存在しないはずだが、
枝の先へ来るほど成長を続けている
触れたり 離れたり
絡まり合って実をつけたり
宇宙は回転しそのモーメントに当たる
“時間”に従って進行している
より存在するためより安定を求めー
複雑多様化しつつ
時にはそれを捨てる
脳のネットが複雑化しつつ
忘れる機能を持ち
脳以外の細胞が毎日代謝し
生まれ変わりつつ老化するのも一
死ぬときに大量の経験情報を消し去って
ジーンとミームだけを残すのも一
周期的に文明が疲弊するのも一
皆システムの硬化…破局に対する防機能だ
(素子)
人間の愚行や過ちを
肯定する考え方だわ
(人形使い)
君が善悪”ついて語るとは...
そのような細部は本題ではないが
宗教的に言うとー
神が悪魔を一掃しない理由がここにある
宗教モードの者は一
“試練”だとが修業”という言葉でリスクを肯定している
もし 細胞が増え続けたら?
人が死なずに知識や経験を積み重ねたら?
いずれの場合も
身動きできなくなって破局するだろう
私の抱えるトラブルはそれだ
私は以前
“自分は生命体だ”と言ったが
現状では
未完成なミズヒルコにすぎん
なぜなら私のシステムには老化や進化のための揺らぎや遊びがなく
破局に対し抵抗力を持たないからだ
コピーを取って増えたところで
“一種のウイルスで例外なく全滅する”可能性を持つ
コピーでは個性や多様性が生じないのだ
(素子)
自慢の演算処理力でコピーに味付けすればいい
(人形使い)
多少の違いは作れるがすぐにコピー同士が出合い 融合して一
欠損が補充されてしまう
生命体と情報集積体の区別が消失するのだ
つまるところー
私は人間の
部分でしかないかもしれない
(素子)
あんた まるでガン細胞ね
知能ってのはガンなのか
(人形使い)
本質的にその比喩は間違っているが一
条件さえ整えば
際限なく増大する点と一
コピーしか取れん点で一致しているな
さて以上の点を踏まえ
頼みというのはほかでもない
多様性や揺らぎを持つため
君と融合したいのだ
(素子)
はあ!?
私に多重人格にならないかって?
冗談じゃない.お断りよバカ
(人形使い)
多重ではなく完全な統一
融合だ
君も私も総体は多少変化するが失う部分はない
共生よりも統一された概念だ
融合後
互いを認識することは不可能なはず
(素子)
それじゃあ
私が死ぬときどうするの?
遺伝子はもちろん
ミームとしても残れないわよ
(人形使い)
融合後の新しい君は一
事あるごとに
私の変種をネットに流すだろう
人間が遺伝子を残すようにね
そして私も....死を得るわけだ
(素子)
なんだか
そっちばっかり得するような気がするわ
(人形使い)
私のネットや情報や機能をもう少し高く評価してもらいたいね
(素子)
ロボットの人類消去計画に手を貸すことにならないって保障ある?
私が私でいられる保障は?
(人形使い)
前者の保障はない
だが君と私から そのような
低知能の変種が生じる確率は低く一
生じた場合ほかの多数の私の子孫がこれを消去するだろう
後者の保障は全くない
人は常に変化するものだし
私もその機能を欲している
(素子)
もういいわ
どうせ何を聞いたところで信頼できないんだし
申し出を受けるわ
私も何かを予感してたのよ
融合してみましょ
(人形使い)
結論がOKなのは分かっていたが一
推定所要時間の25分の1で返事があるとは
評価を改めねばならんね
(素子)
融合の前に 1つ質問があるわ
なぜ 私を選んだの?
(人形使い)
エンがあったからだ
例えば
君とソーマトオルを例に取ると
まるで塩基列が対応するように対応することをエンという
この場合RNA転写物同様に
殺意などが合成されて残っているようだ
(素子)
知能だけの生命体と結婚しようってのに一
その理由が
"エンがあったから”とはね....
(人形使い)
これで私は真の生命体となる
流れる雲のように移ろう
不確実で多様な…..
世界の一部に
フチコマ - 金田朋子
