グーグルが3月に設立したベンチャーキャピタル部門。第1号投資先に選んだのはシリコンバレーの「電力」関連企業だった。「スマートグリッド」技術を手掛けるシルバー・スプリング・ネットワーク社。各家庭に設置される新型電力メーターの「心臓部」となるソフトと半導体など中核技術を開発。「環境市場の『ウィンテル』」と噂されている。
スマートグリッドは各家庭と電力各社を通信網でつないで詳細な電力需給データを自動測定し、送電網全体を効率化する。GEなどが製造する新メーターはその要。シルバー社はGE向けなどメーター20万台分のソフトや半導体を出荷し、今年は10倍の急成長を見込む。
グーグルは今後1年間程度で合計1億ドルのVC投資を計画。「不況下に資金を投じられる企業がより強くなる」(エリック・シュミットCEO)。シルバー社への投資にはネットに続く「電力情報市場」への進出をうかがうグーグルの野望が透ける。