中米密林の中に繁栄したマヤ文明は正確無比な暦を案出し、文字をもち、 数字をもち、ゼロの概念までもっていた。
時間に対してマヤほど関心をもった民族はいないといわれる。
神殿の壁やステラ (石柱) には記念すべき日時や怪奇な神像が刻まれ謎の記号と表像にみちている。
めくるめく太陽、 ひろがる虚空、聴明な石の造型、マヤは苛酷な風土の中でとうもろこしの豊鏡を雨神チャックに乞いねがった。
モザイク壁画は秘められた古代マヤ幻想、マヤへのオマージュである。
壁画が天王州の空間に、 マヤの神々とともに生を得たことは、天恵の喜びである。
利根山光人 1966年
モザイク壁画部分@寺田倉庫G号