2008年6月27日金曜日

【本】機長の教え

機長からの処方箋4:原理原則の教育
症状:判断ミスをする。コミュニケーションミスをする。
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「お前のところで哲学や考え方を教えているか?」
「哲学って、ソクラテスとかプラトンとかいうあれか?」
「いや、そうじゃない。原理原則とかものの基本的な考え方っていうぐらいの意味だ。」

 事故や不具合のほとんどが、判断ミスかコミュニケーションミスで起こります。ところが普通は判断ミスとコミュニケーションミスをなくすための教育はほとんど行われていません。起こるすべての事象についてこの時はこうしなさいと、個別に教えることは不可能です。
 そこで原理原則を教えることが非常に重要になります。
「判断に感情を持ち込んではならない。」
「だろうで行動してはいけない。」
「2つ以上のパラメータを同時に変えてはいけない。」
「念のために確認情報を発信しよう。」
というような原理原則を教育することが重要です。
すべての業務が型どおりに流れているうちはよいのですが、もし何か通常でない状態が出てきたときに、形しか教わっていない人は大失敗をする可能性があります。

坂井優基 著