2011年10月29日土曜日

スマートデザインの可能性

日経BP社 「日経デザイン」編集長 下川 一哉
特定非営利活動法人 産学連携推進機構 理事長 妹尾 堅一郎
NOSIGNER 代表 太刀川 英輔

下川氏より「スマートデザイン」の提起。
『普段の生活をローコストで便利に、しかも楽しく送るとともに、
不測の事態の際にも家族や自分自身の暮らしや生きる喜びを守るためのデザイン =スマートデザインの定義 ver.2 』
「日々の暮らし」と「万が一」をつなぐデザイン。
実践例としてパナソニックの「いつも×もしも」を紹介。震災後4月に調査を始めて夏に発売した企画製品。

‎太刀川氏よりレクチャー:「物の定義を横断する」ためのデザイン使い方

 「椅子」だと言われたら、座ることしか考えなくなる。そんなふうに定義を明確にすると簡単に消費を導けたので、この100年僕らはずっと物を細分化してきた。カニを食べるためのスプーン、とか。
そうして僕らは想像力を失った。

 人が物を作る本能を持っているのは、物の定義を横断するためだ。木から火を起こし、石から包丁を作る。そんな風に僕らは9000年間やってきた。それが本能だから、定義された物の消費だけでは満たされない。

マグネットパール紹介。ブレスレット、リング、ピアス・・・いろいろなモノになる。意味を開放している。
春雨シェード紹介。いらなくなったら食え。いざとなったら食え。
先端研の矢印サイン紹介。普段は用のないもの。来客あるときに使用するでかいけどコンパクトでわかりやすいデザイン。
イームズは言った。「コップをデザインするな。確実に水を口に運ぶ手段をデザインしろ」

 情報化は初めて物からソフトとハードを分離した。 スマートデザインとつなげれば、スマートフォンはあらゆるセンサーが入った板だが、走らせるソフトによってコンパスにもゲームにも電話にもカメラにもなる。物の定義を横断する。 モノはその半分を僕らの想像力に委ねることで、始めて適切な関係ができる。モノと会話できる。

 妹尾氏より「デザインドリブンイノベーション」レクチャー
技術を活かすデザイン、技術を先導するデザイン、技術を生み出すデザイン。
技術の日産、日立、ナガオカ、シャープ、三菱・・・・
しかし技術のアップルとは言わない。
技術がいくらあっても社会と合致しないとダメ。
日本語でデザインは「意匠」、中国語では「計画」と訳す。
「コンセプト」を変えることがイノベーション。

もしもの医療からいつもの医療へ
もしもの警察からいつもの警察へ

企業も国も危ういですよ。人材も流出しますよ。それがわかってるアジア各国は五年くらい前から動き出してる。by 太刀川